使ったことのあるピックアップやマイクの感想を備忘録を兼ねて書いてみる。
数年前に別のブログで書いていた内容と重複しますがアップデートしてみます。
取付け位置によってある程度は似たような結果になるのでざっくりだが特徴から。
ピエゾピックアップ
弦の近くに取付けするタイプ
硬めの音になることが多い。音程が聴き取りやすい。
弓で弾くと低音成分が不足したようなサウンドになる。
立ち上がりや反応速度は速い。
左手側のタッチノイズも拾ってくれるので生っぽいサウンドも割と作りやすい。
代表的なものはフィッシュマンBP-100。
ブリッジの中間から下部に取付けするタイプ
柔らかく角が取れた音になることが多い。
弓で弾いたときは自然な感じ。
ボディに近くなるほど低音成分が多めに出力されるので反応速度は鈍くなり音程は聴き取りにくくなる傾向がある。
アンダーウッドは中間部分に取り付け、リアリストはブリッジ下部に取り付けするタイプ
ボディに取付けするタイプ
ベストな取付け場所を探す作業がわりと大変だけど、
最適な取付け場所を見つけることができれば、かなり良いサウンドが得られる。
ブリッジ下部に取付けするタイプとほぼ同じような方向性のサウンドになるがよりマイクに近い感じ。
弓の音も自然な感じ。
ブリッジに取付けるタイプに比べてハウリングしやすい。
ピエゾ素子の数
1個タイプ
包み込むようなサウンド。
悪く言うとボワンとした締まりの無い感じ。
弓で弾いた時の音量が大きくなる傾向がある。
2~4個タイプ
弱いコンプレッサーがかかっているようなサウンド。
引き締まった感じ。
ピチカートと弓の音量差は少なくなる傾向がある。
1個と複数個の違いを少し乱暴に言うとフェンダーベースのプレシジョンベースとジャズベースのイメージ。
マイクロフォン
弦の振動がボディを響かせたあとの音を拾って増幅しているので、
音はピエゾピックアップに比べて自然な感じになる。弓の音も良い。
ボディを叩く奏法でもキレイに音を拾ってくれる。
ピエゾピックアップと併用してブレンドすると補い合って良い結果を得やすい。
音量を上げていくと、どちらのタイプでもハウリングとのやりくりが大変になる。
ダイナミックタイプ
ファンタム電源不要。カラオケ屋さんにあるマイクはだいたいこのタイプ。
普通な感じの音。
コンデンサーマイクに比べて感度は鈍いので劣悪な環境になりがちなライブで使いやすい。
コンデンサータイプ
ファンタム電源が必要。高感度でいい音。
ウッドベース・コントラバスに使用すると、
足音など床の振動をエンドピン経由で拾ってしまうのでライブ会場などではちょっと使いにくい。
ドラムとの位置関係も影響が大きい。
音響スタッフがいてコントロールしてくれる状況ならこれが一番良い。
使ったことがあるピックアップとマイクの感想
アンプなど音響機器や楽器との相性で結果が大きく変わるので、あくまでも目安。
FISHMAN BP-100 フィッシュマン
ピエゾタイプの代表みたいな「フィッシュマン BP-100」ピックアップ。
OLIV弦に変えたタイミングで久しぶりに試したら思っていた以上に良い。
状況によってはこいつ単体で行ける。弓の音は微妙なのであきらめる。
出力はピエゾタイプの中では高い方。
高域の成分にクセがあるのでEQをカット調整する必要はあるが、
全方位的な周波数が出ている印象なので割とコントロールしやすい。
最近はコレがメイン。


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Under Wood アンダーウッド
これも定番。「アンダーウッド」ピックアップ。
駒の形によっては取り付け不可な場合もある。
PB-100と駒の下部に取り付けるリアリストと比べると中間的な音。
ピッチカートと弓の音量に大きな差が出ないので使いやすい。
割と無難な音。中域の成分に少しクセがあるのでアンプのEQでカットすると良い感じになる。
出力はピエゾタイプの中では高い方。
プリアンプ無しでも何とかなったりする。割と使いやすい。
いつもお邪魔しているライブイン寓話とサウンドM'sのベースはどちらもコレを取り付けしている。

The Realist リアリスト
弦を緩めて駒の足とボディの間に挟み込んで使用する。
初期型とウッドタイプがあるが初期型のものはお勧めしない。
シート状の薄い銅板に内蔵されたピエゾセンサーが楽器の表板に小さな凹みを作ってしまう。
表板が一度凹んでしまうと修復は不可能。
ウッドタイプはこの欠点が改良されている。
初期型では銅板の部分が木製になっていて楽器にダメージを与えないような作りになっている。
買うならウッドタイプがおすすめ。
音は柔らかくウォームなサウンド。弓の音も自然な感じで扱いやすい。
出力は低めなのでアンプや音響機器によってはノイズが乗ったりする。
プリアンプを使って出力を底上げするとコントロールしやすい。


The Realist LifeLine リアリスト ライフライン
アジャスターが仕込まれた駒なら取り付け可能な「リアリスト ライフライン」。
出力はピエゾタイプの割りに高め。
音は割と癖がなく扱いやすいが高音域が弱い感じで生っぽい雰囲気が出し辛い。
弓の音量が少し大きめ。安定感のある出音なのでアンプとの相性も気にせず使える。
ライブハウスを転々として店のアンプを借りるプレイヤーには良い選択と思う。


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ピックアップ本体の構造がクランプのようになっていて駒の足を挟み込むように取り付けする「リアリスト サウンドクリップ」。
着脱が簡単ですごい良いアイディアだと思う。出力ボリュームコントロールも付いている。
中音域になんか癖があって使いにくい印象。何度か試すが良い結果が得られず、引き出しの中へ。。。
楽器との相性なのかもしれない。出力は高め。
弓の音は良い感じではある。
機会を見てプリアンプのEQやノッチフィルターを調整してみようと思う。


バシスト
アンダーウッドと同じ取り付け方だがピエゾセンサーは1個。
割と生っぽい出音になる。出力も十分。弓の音は妙に大きくて扱いにくい。
ピッチカート主体ならありと思う。
SHADOW SH950 シャドウ
アンダーウッドと同じ取り付け方になっている。本家より安い。出音は本家よりもマイルド。私の楽器との相性は今ひとつだった。

SCHERTLER DYN-B シャトラー
私が使っているものは旧型のダイナミックタイプ。
恩納村のレストランで演っていた時は、NUX社製のB-3という無線機をDYN-Bと店の音響につないで使っていた。
EQもほぼ動かさずにセッティングが決まるので重宝していた。
大音量が要求されない状況では今でも出番が多い。
最新機種はモデルチェンジしてコンデンサータイプになっている

DPA-4099 コンデンサーマイク
旧型を所持。今まで試したマイクの中で一番良い音。
音響スタッフがいない環境で使うのはハウリングの問題で難しい。でも、ほんとはこれを使いたい。

楽器との相性など
経験則で何となくの感触だが、
◯ベース本体の生音を硬めにした場合はウォームなサウンドのピックアップを使う
◯ベース本体の生音を柔らかめにした場合は硬めなサウンドのピックアップを使う
こんな感じで楽器側とは対照的なキャラクターのピックアップを組み合わせると良い結果が得られやすい。
例えば、スピロコア弦などブライトなキャラクターの弦を使用中ならリアリストかアンダーウッド、
ガット弦などウォームなキャラクターの弦を使用中ならフィッシュマンBP-100など。
ブレンドするときの考え方
二つのピックアップやマイクを取り付けてブレンドする場合は、
対照的なキャラクターのピックアップやマイクを組み合わせるとうまくいく。
◯フィッシュマンBP-100とリアリストの組み合わせ
◯フィッシュマンBP-100とシャトラーDYN-Bの組み合わせ
こんな感じ。
ここまで書いて置いて無責任で申し訳ないんだけど、
楽器や周辺機器との相性で上に書いた通りにならない事もある。
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プリアンプ+パワードスピーカー
最近、とあるお店のモニター用パワードスピーカーへプリアンプAD-10のXLR DIアウトを接続したら、
思っていた以上にリッチな低音と抜けの良い出音になり、共演者の評判も良かった。
もしかしたら、プリアンプ+モニター用パワードスピーカーはひとつの答えかもしれない。
まだあるので追加していく予定
他にも使ったことのあるピックアップはまだあるので少しずつ更新して行こうと思う。
購入した金額は合計したくないな。元が取れてない。
趣味だから良いけど事業として考えたら全然ダメだよな。